【リスニング学習法】相手の話している英語がわかる!までの全学習過程

「英語で道を聞かれたけれど、そもそも何を聞かれているのかわからず、逃げるようにその場を去ってしまった…」
「会議でアメリカ人がプレゼンしていたが、英語を話しているということ以外、何もわからなかった…」

英語が聞き取れず、何を言えばいいかもわからない。
頭が真っ白になるような気まずい経験をしたことはありませんか?

そんなとき、英語を聞き取れて、なおかつ的確でこなれた返答ができれば
駅や会議の場で気まずい思いをすることもないですし、何より世界が広がりますよね。

この記事は、そんな思いを同じくするあなたに向けて書かれています。

巷には、英語の学習法が溢れています。
「シャドーイング」「ディクテーション」「スピードラーニング」などなど。

この記事を読めば、無数にあるリスニングの学習法から自分に合った学習法を選ぶことができるようになります
単に効果の高い学習法を紹介するだけではなく、まず「英語を聞いて意味がわかる」までに脳の中でどのようなプロセスがあるのか解説します。
続いて、あなたが今どこで躓いているのか、様々な学習法がどのプロセスを強化するものなのか解説していきます。
そのため自分がどの能力を既に身につけていて、どの能力を今身につけつつあるのかがわかり、リスニング学習のモチベーションも持続しやすくなっています。

リスニングの実力をつけた後でも、この記事の内容を頭に入れておくことで、
日々英語の動画やラジオから情報を得たり、英語の講座を受けてスキルアップしたり、あなたの触れられる情報は飛躍的に広がります。

リスニングの合理的で科学的な学習法を理解して、「わかる!」という体験を摘んでいただくために、この記事がお役に立てれば幸いです。

リスニングが上達するかどうかは「勉強法」で決まる

そもそもリスニングを勉強する目的は、英語の会話や発言が「わかる」ということのはずです。

しかし、音が耳に入ってから「わかる」までの過程を意識したことのある方は少ないのではないでしょうか?
実はここに、リスニングの勉強の難しさがあります。

というのも、私たちは日本語の会話で相手の発言を聞くときに、「どのように聞いているか」ということを考えません。
日本語での会話は無意識に入ってくるものであって、どういう脳の仕組みで聞いているのかということを改めて考える機会はほとんどないわけです。

しかし、幼少期に自然に習得している日本語と違って、英語は後天的に身につけなければならないスキル。
「聞いていれば自然と耳が慣れて聞き取れるようになる」というようなことはなく、しっかりと脳のはたらきを理解して、正しい学習法を選べるかどうかが結果を大きく左右します。

では、正しい学習法を導くための脳のはたらきについて、詳しく見ていきましょう。

「英語がわかる」ために必要な脳のはたらきは3つのスキル

【3つのスキル 画像】

「英語がわかる」ために、脳は大きく分けて次の3つのはたらきをします。

  1. データベース:そもそも英語を理解するための単語や文法などのデータを保存しておき、必要な知識を引き出す過程
  2. 音声知覚:英語の音声から英語の文を導き出し、「何を言っているのか」を把握する過程
  3. 意味理解:音声知覚で知覚した英語の文について、「どんな意味なのか」を理解する過程

この3つのはたらき全てが短時間の間になされてはじめて、英語がわかるのです。
3つの能力について、詳しく解説しますね。

スキル1:まずは単語や文法の「データベース」が必要

【3つのスキル 画像】

英語学習において、十分な英語の「データベース」が構築されていること、
つまり、単語や文法について最低限必要な知識が定着していることがスタートラインです。
リスニングにおいては知らない単語は聞き取れないからです。

例えば「I have to do it.」という英文があったら

  • 「I」とは「私」という意味である
  • 「have to」とは「〜しなければならない」という意味である
  • 「do it」は「それをする」という意味である

といった単語の知識がないと、音は聞けませんよね。
まずこのデータベースが整っていないと、単語が分からなくて聞き取れないということになります。

また、単語は知っていても発音は全く知らないことがあります。
この状態だと、リスニングでその単語は聞き取れず、あとで文章を読んではじめて「あの単語だったのか」と気づくことになってしまいます。

リスニング力を上げるためには、知っている単語でも発音した時の音を記憶することが重要です(具体的な方法は後ほど解説します)。

スキル2:「音声知覚」によって、音を英文に変換

【3つのスキル 画像】

「音声知覚」とは、聞いた音を「英語の文」に変換するスキルのことです。

例えば、

アィハフタドゥイット

I have to do it.

解説

英語の「I have to」は「アィハフタ」と短くなります。まず、「I」のようによく使われる代名詞は後ろの音が弱くなり、「to」は全体が短くなります。

このように、英語の発音には「短縮」や「結合」といったいくつかのルールがあり、これらのルールに耳を慣らしていくと音声を英文に変換できるようになります。
この、「音声を英文に変換する」能力こそが音声知覚です。

なお、この段階では英文の意味を理解する必要はありません。
あくまで英文に直せれば、文の意味が全く分からなくても「音声知覚」はクリアです。

スキル3:「意味理解」で英文の意味を掴む

【3つのスキル 画像】

最後のステップが「意味理解」です。
「意味理解」とは、英文の意味がわかる状態。つまり、リスニングのゴールです。

先ほどの例で言えば、

I have to do it. → 私はそれをしなければならない。

という意味だとわかる状態ですね。

もうお気づきかもしれませんが、意味理解ができるためには「データベース」と「音声知覚」が確実にできている必要があります。
逆にいうと、「データベース」や「音声知覚」ができていないのに「意味理解」ができることはありません

そう、実はリスニングの学習で最も大切なことは、必要なスキルを正しい順番で学習することなのです。

3つのスキルは順番に習得することが大切!

このように、「データベース」 がなければ「音声知覚」ができず、「音声知覚」がなければ「意味理解」ができないというのが英語のリスニングです。

ここで、シャドーイングという学習法を例に考えてみましょう。

シャドーイングとは、英語を聴きながらそれを真似して発音する学習法のことです。

シャドーイングは「発音しよう」と思って英語を聞くことで、英語の発音の癖や法則を体得できる学習法で、
3つのスキルでいうと「音声知覚」の学習法になります。

しかし仮に単語の「データベース」が不十分な状態でシャドーイングばかり学習していたらどうなるでしょう?

データベースがないため、知らない単語を目で追って発音だけ上達している状態になり、
仮に音声知覚が完璧になってもいっこうに意味理解に進むことができません。
これでは、いくら学習してもリスニングは上達せず、モチベーションも続かないでしょう。

このように、今自分に必要なスキルを集中的に学習することが、リスニング上達の最短ルートとなります。

それでは、今自分に必要なトレーニングはどのように把握すれば良いのでしょうか。

リスニング学習法の王道:躓いている箇所を把握して集中的にトレーニング

リスニングの上達のためには「データベース」「音声知覚」「意味理解」の3つのスキルが大切で、
それぞれのスキルは順番に習得していく必要があることをお話しました。

この章では、躓いている箇所を把握し、具体的なトレーニングを行う方法論をお話します。

どこで躓いているか、手軽に判別する方法

まずは「データベース」「音声知覚」「意味理解」の各スキルのどこで躓いているのか把握することが大切です。

実はこれには簡単な方法があります。
それは、とりあえず何も見ない状況で英語の音声を”聴いてみる”こと。
極論ですが、現時点で音声を聴いて内容が100%理解できるのであれば、リスニングの学習は不要ですよね。

ですがもし、意味がわからなかったり音声についていけなかったりする箇所がるのなら、次の方法でどのスキルが足りないのかチェックしてみましょう。

英語の音声をシャドーイングしてみる → シャドーイングができていたら英語の内容を日本語で言えるか試してみる

シャドーイングとは、英語の音声を聴いた直後に続けて同じ音声を声に出してみるトレーニング手法です。
スクリプトなしでのシャドーイングは英語の音声が聴き取れていないとできないため、英語の「音声知覚」ができているかの判別ができます。

また、シャドーイングがある程度できている場合は、音声の内容を日本語で説明できるか試してみてください。
音声知覚しかできていない場合、「英語の音声は聞けているけれど、意味は何となくしかわからない」という状態になります。

このような状態の場合、以下の「意味理解」のトレーニングが重要になります。

判別できたら、必要なスキルに合わせたトレーニングを重ねていこう

トレーニングが必要なスキルが把握できたら、次はそのスキルを鍛えるトレーニングを重ねていきましょう。

「データベース」「音声知覚」「意味理解」それぞれについて、効果的なトレーニングを上げていきますね。

 

単語や文法の「データベース」を鍛えるのに効果的なトレーニングと教材

単語や文法、リンキング(単語が複数組み合わさったときの発音の変化)がインプットされていないと、英語は聴き取れません。

データベース構築は、ある程度は「暗記」になってしまうのでどうしても退屈なトレーニングになりがちなのですが、
このトレーニングも効率化するコツがいくつかあります。

まずは、「何日も同じ単語に出会うように練習すること」です。
FAST ENGLISHでは、1週間に200単語の記憶課題を課しています。1日あたり約30単語なので、かなりのボリュームです。

「1週間に200単語をやってください」というと、「毎日30単語ずつ進めます」という方が多数いらっしゃいます。
しかし、FAST ENGLISHではあえて「毎日200単語全てに触れてください」とお願いしています。

というのも、毎日30単語ずつのトレーニングでは、ひとつの単語あたり触れる日数は1日ですよね。
人間の脳はどうしても情報を忘れるようにできており、忘れるべき情報か覚えておくべき情報かの選別はどの程度頻繁にその情報に触れるかで決まるとされています。

そのため、単語や文法といったトレーニングでは、触れる回数をできるだけ多くするため毎日全範囲を見て頂いています。

「音声知覚」を鍛えるのに効果的なトレーニングと教材

データベースが揃ってきたら、音声知覚のトレーニングを始めていきましょう。

全て知っている単語で構成されていた文だとしても、なかなか聞き取るのは難しいものです。

なぜなら、英語は文になった途端に「前後の単語の結合や短縮」といった複数の単語が絡むルールが適用されるからです。

だから音声知覚には「英語の文を文として聴く」トレーニングが必要なのです。

このトレーニングを効果的に行うのがシャドーイング、さらにいうとプロソディシャドーイングです。

プロソディシャドーイング … 聞こえてきた英語音声を、同じ発音で、なるべく正確かつ素早く復唱するトレーニング

プロソディシャドーイングで注意するポイントは、なるべく無心で聞こえてくる音声を復唱することです。
どんなに音声知覚をトレーニングしようと思っていても、つい意味を考えてしまうのが人間の性ですが、
音声知覚をしっかりとマスターすることが意味理解の1番の近道です。
プロソディシャドーイングでは、意味をとるのではなく、音声を再現することに集中してトレーニングしましょう。

 

「意味理解」を鍛えるのに効果的なトレーニングと教材

音声知覚がある程度できてきたら、意味理解のトレーニングに移りましょう。

意味理解にも有効なのが、シャドーイング。
とはいえ音声知覚のように無心で英語の音声をなぞるようなシャドーイングではなく、意味をイメージで捉えるコンテンツシャドーイングです。

コンテンツシャドーイング … 流れてくる英語の音声を理解し、その意味をイメージで思い浮かべるトレーニング

コンテンツシャドーイングは、英語の音声を聞き取りながら英文をイメージするのではなく話の内容をイメージしようとするトレーニングです。

例えば、日本語で友人に「今日テレビを観ながらカレーを食べてたら袖にこぼしちゃってさ」と言われたら、意識せずとも「テレビを観ていた友人がカレーを口に運んだとき、袖にカレーをこぼしてしまうイメージ」を思い浮かべてしまうのではないでしょうか。
このとき、私たちの脳は友人の言葉を一言一句再現するようなことはむしろできず、無意識に意味をとってしまっていますよね。

この「無意識にイメージが思い浮かぶ」状態こそが、英語リスニングのゴールです。
コンテンツシャドーイングでは、この最終的なゴールに向かって最も効果的にトレーニングを進めることができます。

とはいえ、いきなりコンテンツシャドーイングをしてもなかなか上手くいかないことも多いもの。
音声知覚ができている人でさえ、初めはイメージをするところまでの負荷に耐えられないことが多いです。

そんなとき、もしお使いの教材に速度調整機能がついていれば、音声を低速にして試してみましょう。
音声知覚ができるのに意味理解ができないのは、ひとえにイメージ化する負荷に脳が慣れていないだけです。
そのため、英語のスピードを遅くしてイメージ化の負荷を下げると、驚くほど意味が取れるようになります。ぜひ試してみてください。

もちろん、下げたスピードで問題なくできるようになったら、少しずつ速度を上げていきましょうね。

よくあるリスニング学習の失敗と注意点

リスニングに必要な3つのスキルについて、効果的な学習法を分かっていただけたかと思います。

ここからは、リスニング学習のよくある失敗例や注意点を解説していきますね。

最も効果が出るディクテーションの方法と注意点

ディクテーションとは、英語の音声を聞き取ってそれを文字に起こすという勉強法です。

確かに音声で聞いた英語を文字に起こせれば、リスニングの3つのスキルのうち少なくとも「音声知覚」は完璧にできていることになりますよね。

ですから、ディクテーションは基本的には音声知覚の確認に有効だと理解してください。

とはいえ、ディクテーションはあくまで確認であって、音声知覚のトレーニングとしてはあまり優秀ではありません

なぜなら、ディクテーションでは聞き取った英語を書きとる時間がかなりかかるため、シャドーイングほどのトレーニング量を積めず、さらに「同じように話してみる」というシャドーイングに比べて発音へ注意が向きにくいためです。

あくまで「現状どこまで聞けているかの確認」であれば非常に有効な手法なのですが、トレーニングとして取り入れていくにはシャドーイングの方がベターということになります。

「ドラマを聞き流してリスニング勉強」の2つのワナ

NetflixやAmazon Prime Videoなどスマホでも手軽に英語の映画やドラマが楽しめる時代。

面白いドラマを観ながら自然に英語を習得できたら、これほど良い勉強法はありませんよね。

ですが、英語のドラマや映画で勉強する方法には落とし穴もあります。

まず知っておいて欲しいのは、受動的な聞き流しではリスニングの力はまず付かないということ。

音声知覚にせよ意味理解にせよ、しっかりとスキルを上げていくためには目的意識をもってトレーニングしていくことが大切です。
音声を聞き流すだけでは学習効果は薄いのです。

また、意味理解に偏ってしまいがち、という問題点もあります。

ドラマではつい先のストーリーが気になってしまい、意味を取ることに集中してしまいやすいものです。

その結果、細かい部分で音声が聞き取れていなくても先に進んでしまい、
しかも映像だけである程度のストーリー(意味)は分かってしまうので、意味理解できた気になってしまうのです。

とはいえ、英語のドラマは非常に自然な言い回しや上手な発音の宝庫です。
英語の音声のほかに英語の字幕も設定してみて音声を取れているか確認しながら動画を進めるなどすれば、
かなり効果的な学習ツールになります。

まとめ:合理的なリスニング学習の道のり

いかがでしょうか。
今回は、英語リスニングの合理的な学習法について述べてきました。

英語の音声が「わかる」までには、「データベース(記憶)」「音声知覚」「意味理解」の3つの脳のはたらきが作用しており、自分の足りないスキルに応じたトレーニングが必要なのでしたね。
つまり、英語リスニングの学習順序は以下のようになります。

  1. まず、英語の音声をスクリプトなしで聴いてみる。
  2. 音声は聴き取れるけれど意味が取れない場合や時間がかかる場合 →「意味理解」に課題があり。
    そもそも音声が英語で何と言っているのかわからない場合 →「音声知覚」に課題あり。
  3. 課題がある点に応じたトレーニングを行う。

さらに、トレーニングをある程度続けたらスクリプトなしで英語音声を聴いてみるチェックを定期的に行うことで、新たな課題を見つけられ、さらに自分の成長も実感できます。

このように、定期的なチェックと適切なトレーニングを組み合わせていくことで合理的にリスニングの力を向上させていくことが可能になります。

ぜひ今回取り上げた内容をもとに、リスニングの学習をしてみてください。
そして、皆さんが「英語がわかる!」という感動を体感していただけることを願っています。